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日本の農業で世界へ~起業の記録~

京都大学農学部卒業、外資戦略コンサル、ITベンチャー役員を経て、製菓会社の社長として経営再建を経験。現在、米国バブソンMBA留学中、2016年6月D-matcha株式会社(https://dmatcha.jp/)を設立。

MBA留学⑨バブソン Japan Trek 京都編 その1

MBA留学

京都への訪問

京都は本当に評判が良かったです。案内する身としても圧倒的に楽しかったです。 

京都には数百年も続く老舗企業が多くその経営哲学は所謂アメリカ流のものとは大きく異なりその持続可能な経営に強く感嘆している生徒も多かったです。京都は実は起業や世界企業が多い地域です。様々な企業が限られた場所に集積しているとともに、京都大学を始めとした数多くの教育機関が犇めいており、産学連携がとても盛んです。

伏見稲荷や清水寺、金閣寺など、見た目にもインパクトが強い世界遺産の数々が外国人達の心を掴みます。また、先斗町や祇園の雰囲気や川床などの独特の文化。案内している私も幸せになりました。

 

企業/機関訪問 

京都での企業訪問は、創業から数百年続く老舗企業、ベンチャー企業、大学までバラエティに富んだ訪問先があります。

八つ橋の会社

創業数百年続く、八つ橋の会社の経営陣を訪問しました。バブソンにはファミリービジネス出身の人間も多く、如何に事業を承継していくか、という課題を真剣に考えている人が多く、皆大変興味をもって聞いていました。特に、全員に刺さっていた内容は、「数百年も事業を続けていく秘訣は?」という質問に対して、経営陣の方がお話しされた「常に余裕/余剰を持つこと。一見、無駄に見えるかもしれないが、常に利益を余剰に持ち、仕入れ先などに対してもコスト削減は求めない。常にゆとりを持たす。そうすることで、天災を始めとした本当の危機が来た時に、取引先と相談してその決まった時期だけ、仕入れ値を交渉させて貰う。普段ゆとりを持った深いお付き合いをしているので、そうした関係が築けるのだ」といった内容でした。ファミリービジネスを背景に持つ生徒だけでなく、アメリカ人の生徒達も目から鱗状態でした。資本主義全開で短期的な収益を求めガチなアメリカ流経営に対して皮肉って「アメリカだったら、コストダウン、コストダウンだww」と言っていました。この長期的経営の視点は、旅の最後にとったアンケートの中でも、かなり評判の良い内容でした。 

GLM

京都大学のベンチャーとして、誕生した電気自動車会社のGLM。社長の小間様からお話しを伺いました。日本国内だけでなく、海外の投資家からかなりの資金調達に成功されております。

glm.jp

小間社長のお話は、一番、評判が高く、質問が止まなかったため、実際の会議時間もかなり延長されました。小間社長は、過去に複数の起業をご経験されたシリアルアントレプレナーであり、京都大学MBAのご出身です。その戦略的視点は、世の中のトレンドを強く掴んでおられ、その中で自社の強みを磨いていかれおり、全員が感嘆させられました。特に興味深かった点を2点。 

自社で持たず、他社との協働

GLM様は、数多くの他の会社様と協働されております。自社のリソースをデザインなど強みになる部分に集中させ、部品や製造などは京都に集積する世界的に超一流のプレイヤーとの協働で解決されています。リソースの限られたベンチャー企業が世界と闘っていくうえでの考え方として、大変参考になります。選択と集中です。超一流のプレイヤーを巻き込む、GLMの将来性とストーリーがとても大事なことは無論ですが。 

京都という土地柄

京都は昔から、とてもグローバルだ、というお話でした。京都の会社にとって、東京と香港、シンガポール、ニューヨークなどは同じように捉えている。京都の次に世界にそのまま行く会社がとても多いと。実際に、現在上場している京都発の会社で、本社を京都から東京へ移している会社は一つもない、と仰っていました。GSユアサ、京セラ、村田機械、村田製作所、堀場製作所、島津製作所、ロームなどなど本当に京都発のグローバル企業は相当数あります。

また、「京都」という土地柄が様々な機会を創りだすとも。例えば、ある会社がある地域にあり、そこに海外の投資家が訪れる場合、部長クラスが訪問する、と。しかし、「京都」の場合、京都を訪問したい投資会社の社長が自ら訪問する(観光の言い訳としても笑)ので、話が進みやすかったり、纏まり易かったりは、事実としてある、と仰られておりました。

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GLMの車、とにかく恰好良い。 

月桂冠

海外でも昨今人気の高い日本酒。その造り方の見学と説明を聞きに伏見にある月桂冠大倉記念館へ。

www.gekkeikan.co.jp

大倉記念館からガイドの方を1名、専門用語が多いためバブソン側で通訳の方を1人お願いして製造工程を案内して頂きました。

外国人生徒達は、酒に強く、毎晩に近く一升瓶を開けていたので、その製造工程に食い入るように聞きいっていました。また、ガイドの方の詳細な知識と通訳の方の高いスキルで最高のガイダンスができたことも大きな要素でした。

大倉記念館では、レトロボトルの限定品が売っています。蓋の部分が御猪口になっているとても素敵なデザイン。 

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日本酒製造の詳細なストーリーとこの限定商品のデザインの素晴らしさで、冗談抜きで1人6本など大量に購入をしていました。中には、そのためにスーツケースを後日追加購入していた生徒も。ストーリーとデザイン性、限定感が、外国人の心を魅了するのに本当に大事だ、と実感した瞬間でした。 

京都大学

母校、京都大学のロボット研究を行っている研究室に訪問しました。先端のロボット研究を丁寧にご説明頂きました。日米の違いを考察。

アメリカでは研究=商業化、ということも強烈に意識して研究者は研究に取り組んでいます。多くの大学が私立、という背景が大いに影響していると思いますが、エンジニア達は「商業化してナンボ」という考えが強いです。実際にエンジニア出身の生徒もいるので、彼らからすると、京都大学の院生の「商業化は全く考えていない。純粋学問として」というスタンスに大いに疑問を覚えていたようでした。確かに国立大学という予算が常に一定つく環境下で研究をしていると、時に商業化を意識しないが故に、世の中に技術がでていくことが遅れてしまう、というデメリットも多そうです。一方で、基礎研究など、一見すぐに商業化には結びつかないが、プレッシャーの無い中で生まれるクリエイティブな研究成果が日本の技術的厚みにもなっているのではないか、とも感じました。(時と場合と程度によると思いますが、、) 

 

(C)2016 daikimatcha

 

 

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