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日本の農業で世界へ~起業の記録~

京都大学農学部卒業、外資戦略コンサル、ITベンチャー役員を経て、製菓会社の社長として経営再建を経験。現在、米国バブソンMBA留学中、2016年6月D-matcha株式会社(https://dmatcha.jp/)を設立。

MBA留学⑤ ~アメリカの車事情~

アメリカは車社会だ。バブソンMBAでも寮に住んでいる人以外全員車通学であるし、会社勤めの人も多くは車通勤だ。
私はボストン郊外に住んでいるので、最寄りのスーパーや駅まで徒歩40分もかかる。
アメリカ人は、車を下駄のように使う、と誰かがが例えていたがまさにその通りだと思う。自分の靴のように車が必需品であり、貴重品ではあるものの日用品的な位置づけに近いイメージだ。
私は、大好きなメーカーであるMazdaのMazda3(アクセラ)を購入して乗っている。

アメリカの中古車市場

アメリカでは、走行距離がかなりいっている中古車でも結構な値段がする。日本でいうと10万キロだとかなり走っている車だという認識だと思うが、アメリカでは20万キロくらいでようやく走行距離が長いというイメージだ。
街中には、信じられないような古い車やボロボロの車も走っている(傷だらけ、へこんでいたり、外側がさびてボロボロになっているものも。ブレーキランプが片方つかない、なんて車も見かける)。
車検は年に一回、最寄りのガソリンスタントで簡易的に行うだけなので(基本的に、車のメンテナンスは自己責任)、日本のようにある程度の年数乗ったら維持費が高くなるので乗り替え、といった購買行動とは異なっている。日本人のような新車に対する執着もここではそんなにない。古い車にずっと乗る人や古い車を中古で買ってきて乗っているような人も数多く存在する。
 
中古車の需要が旺盛にあるため、走行距離が長くても結構な値段で販売をしているし、また売る時も走行距離が長くても高い値段で売れる。例えば、走行距離18万円キロで購入して2年で2万キロ乗り、販売すると、100万円弱で購入して、80万円弱で売れるようなイメージだ。
従って、燃費が良くて故障が少ない日本車がアメリカ市場で圧倒的な人気を得ている。走行距離や型式を入れると、買取価格や販売価格の参考値があるサイトがあるのだが、そこで見ても、日本車の方が、アメリカ車に比べて値落ちが圧倒的に小さい。
基本的に走行距離が長いこと(片道60分程度通勤に運転する人もザラ)や、恐らく特段の税制メリットも無いことから、軽自動車は一切見かけない。
日本と同じ車であっても、従来1.6リットルの車種が2リットル以上の排気量とビッグになっている。ちなみに、ガソリン代は日本の半分以下と驚きの安さだ。 

 

一度アメリカで中古車に乗ることに慣れてしまうと、走行距離のわりに割安な日本の中古車が非常に魅力的に思えてきた。日本に帰っても中古車に乗ろうかなと考え始めている。
 

アメリカでの日本車

依然としてBig3のシェアは大きいが、ToyotaとHondaを始め日本勢もかなりのシェアを占めている。ToyotaやHondaに乗っている人に聞くと、その車の性能や壊れにくさに対する信頼は絶大だ。「GMやFordの20万キロは長距離だが、ToyotaやHondaなどの日本車からしたまだまだこれからだ」と言っている。
Toyotaは日本ではあまり見かけないピックアップトラックや大きなSUVからCamryに至るまで多岐多様な自動車を販売している。この地域ではトヨタのカムリは定番車種だ。
Mazdaはデザイン性に惹かれて、若い人が乗っている印象が多く、校内でもMazda乗りは車に対する拘りの強い人が多い印象だ。
特に、私の住んでいるボストンを含むNew England地方は、豪雪地帯ということもあり、Subaruの四駆が人気が高いように思う。日本のニュースでも良く流れているが、北米における過去最高の売上高を更新し続けている。
 

アメリカのディーラー 

ディーラーでの自動車購入は貴重な体験となった。
アメリカでは車の個人売買も盛んで、インターネット上に挙がっている販売希望車を選んで売り手と直接交渉する、という方法もあるが、アメリカに住み始めたばかりであまり自信もなかったのでディーラーで中古車を購入することにした。
広いアメリカならでは。ディーラーには在庫車すべてが展示されてあり、中古車については、自社の取扱メーカー以外の車も売っている。例えば、MazdaのディーラーでToyotaやGMの中古車などが売っていた。
 
アメリカ人ですら、ディーラーとの交渉は疲れる、というものらしい。確かに、値段交渉はタフだ。私も、ネットでの情報を基に交渉をし、数日間にわたって通ってやっと納得する価格での購入に至った。
セールスマンの手法は、日本のディーラーのように人間関係を構築して次回の購買に繋げるといったスタイルではない。何とかして売って実績を作るというある種、焼畑のような印象だ。
 
購入の意思を伝えた後、Financial Managerなる190cm近い黒人のいかつい担当者に個室で支払を行った。その後、すかさず担当者から追加の補償オプションの購入を迫られてしまい、勢いに負けて補償オプションを購入してしまった。
キャンセル可能な項目が入っていたので、一端購入して後で解約手続きをとったが、これもまた面倒だった。あの独特の威圧感は何ともいえない。数か月後にディーラーを訪れるとそのFinancial Managerは既にいなくなっていたが、次のFinancial Managerもまた非常に威圧的でどぎまぎしたのだった。
さらに、車は、納入時期よりも数日遅れ(ナンバー取得に手間取ったようだ。期日通りにこないことは珍しいことではないようだ…)、納車された翌日には自動車の整備不足で再度メカニックイン、しかも代車は用意してくれないなど、日本とはずいぶん違ったた文化だ。 
 

Zip Car

ボストン発のシェアカーサービスでZip Carがあり、校内にも何台かあるので、自動車を購入するまでは大変活用させてもらった。必要なものは、入会すると貰えるカード(鍵)と、Zip carアプリだけで使用方法はいたってシンプルである。アプリで使用したい車(車が停まっている場所)、時間を指定し、クレジットカードで支払する、時間になったら車の停まっている場所へ行き、カードをかざせば鍵が開く。キーは車内にある。ガソリンは、ガソリン支払用のカードが車内にあり、無くなりそうになったらその乗車客が入れるという仕組みだ。ガソリン代や保険台は時間単価でレンタル料に含まれている。私の住んでいるエリアは郊外なので、自分の車を持っている人が殆どだが、HarvardやMITなど市内の学校に通う人はZip Carをかなり活用しているようだ。 
 

Tesla 

2016年3月31日、Tesla model3の先行予約が始まった。従前のTeslaの車とは異なり、値段も400万円程度と安く、1回の充電で250km以上の走れるということもあって2017年向けの発売で現時点で12万円の支払が必要なのにも関わらず、1日で28万台の予約が入ったと社長のイーロン・マスクが発表した。Toyota Camry(アメリカで一番売れてる車の一つ)が2014年年間で43万台販売だったこととを考えると驚異的だ。
日本の基幹産業である自動車産業にとって、今までのサプライチェーンと異なる仕組みで作れてしまう電気自動車が主流になってしまうことは望ましいことではない。クリーンディーゼル、燃料電池、PHVなど様々な技術で日本の自動車メーカーも厳しくなる環境規制(特にカルフォルニア)や消費者ニーズに対応すべく努力している。
日本の自動車メーカにとって、環境技術に加え、今は自動運転という自動車という製品の過渡期にあり、異業種からの参入(Googleやapple)もあって、厳しい経営判断が迫られる難しい時期だと思う。
私は、自動車はITや電気製品とは異なり人の命に関わることなので、販売したことのない28万台という製品が事故や問題一切無く、消費者の満足を満たすものとなるのかを興味深く思っている。
日本を支える日本の自動車産業に、この激流の中で、持ち前の創意工夫とカイゼンを活かして世界のイニシアティブをとり、世界をリードし続けて欲しいと心から思う。
 
相棒のMazda3

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(c)2016 daikimatcha

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